ABA(応用行動分析)との出会いが教えてくれたこと

発達障害のある子どもたちを支援する現場に携わってきました。

子ども自身の特性に関わらず、希望すれば誰でも利用できるのが「児童発達支援」という制度です。市区町村に申請して「受給者証」の交付を受けることで、正式にサービスが利用可能になります。

多くの支援施設は事前の見学が可能で、親子で雰囲気を確かめてから選ぶことができます。利用を決めた後は「相談支援事業所」の担当者が自宅を訪問し、ヒアリングを経て契約を結びます。

契約後に始まる支援の中心となるのが「ABA(応用行動分析)」です。子どもを叱るのではなく、「望ましい行動」を見つけてそれを褒めて強化するのが基本方針。保護者も一緒に訓練に参加し、ABAの考え方や家庭での接し方を学びます。

ABAでは、子どもの行動を「なぜその行動が起きたのか?」という視点で分析します。その原因を「ABC分析」(A=先行条件、B=行動、C=結果)で整理し、問題行動の背景を明確にしていきます。そして、問題行動を無理に叱らず、代わりに良い行動を強化して導くのが特徴です。

例えば、ある行動を引き起こす原因が「刺激の多すぎる環境」であれば、物理的に環境を整えるといった調整も行います。

この支援の現場に立つたびに、子どもたちが少しずつ自信を取り戻していく姿に、胸がいっぱいになります。

私自身、学生時代からこの分野に関心があり、会社勤めをしながらもさまざまな現場で経験を積んできました。ABAという理論と実践の両輪を持つ支援手法に出会い、今もなお、その普及に力を注いでいます。

1930年代に誕生したABAは、いまや医療・教育・ビジネスなど多くの分野で活用される注目の方法。特に発達障害の支援においては、子どもと家族、そして支援者全員が前向きになれる大切な考え方だと信じています。
三郷市の療育

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