幼稚園の入園当初、娘は門の前でこの世の終わりのように泣き叫び、先生に抱えられて教室へ消えていく毎日でした。
家に帰ってきても「明日は幼稚園?」と不安げに聞き、寝る前には「お家にいたい」とぐずり出す。
私自身も仕事に行かなければならず、後ろ髪を引かれる思いと、毎朝の格闘による疲弊でノイローゼになりそうでした。
担任の先生は「お母さんが大好きな証拠ですよ」と優しく見守ってくれましたが、周りの子が笑顔で登園する姿を見ては、どうしてうちの子だけ、と一人で悩み、実母に相談したこともありました。
変化は、年少の終わり頃に訪れました。
仲の良いお友達ができて、「幼稚園で一緒に遊びたい」という気持ちが勝るようになったのです。
ある朝、いつものように玄関で立ち止まるかと思いきや、娘は私の手を離し、「行ってきます!」と力強く教室へ走っていきました。
その小さな背中に感じた頼もしさに、私は嬉しさと、少しの寂しさを感じながら、門の前でこっそり涙を流しました。
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